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原 一樹
神戸山手大学 准教授

@研究内容
 20世紀後半フランスの哲学者ジル・ドゥルーズの理論を中心に現代哲学の研究に携わると同時に、ツーリズムに関する理論研究や事例研究に関心の幅を広げつつあります。21世紀に入りドゥルーズ哲学研究はますます各言語圏で活発化していますが、私自身は特に前期主要著作『差異と反復』の存在論や中期の『アンチ・オイディプス』・『千のプラトー』等で展開される資本主義論・社会理論に焦点を合わせ、その可能性を継承し発展させるべく研究を進めています。他方、日本におけるツーリズム研究は本格的に始まったばかりと言えます。私自身はこれまでに、「巡礼路型世界遺産」という特殊性を共有する「熊野古道」とスペインの巡礼道「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」との観光システムとしての比較研究に参画しました。また、様々な藝術・娯楽作品が喚起する観光行動から成り立つ「コンテンツ・ツーリズム」の事例研究や理論的枠組の考案にも取り組み始めているところです。

@サブカルチャーとの接点
 哲学研究とサブカルチャーとの接点については、ドゥルーズが「概念の道具箱」として提出した資本主義論・社会理論を、現在グローバルに展開するサブカルチャー現象と突き合わせることで何か新たな知見や展開が得られるかに関心があります。サブカルチャーに関心を持つ人間や集団の在り様、消費や欲望の形、サブカルチャーの世界的伝播を可能とする技術的条件等々の観点から、哲学研究とサブカルチャー研究を繋げていければと考えています。ツーリズム研究とサブカルチャーとの接点については、アニメや漫画の舞台を訪れる「聖地巡礼」と言われる観光行動が特に現在注目に値する現象です。実際にどこでどのような「聖地巡礼」行動が生じているかの現象把握を一方で着実に行いつつ、他方で「聖地巡礼」の観光行動としての特殊性や、地域振興策・インバウンド政策としての有効性、「聖地」の持続可能性の問題等を理論的に考察していく必要があると考えています。

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