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       設立理念

目的

 当研究会の目的は、欧米における研究組織との国際共同研究を基盤とし、世界で進行中の日本マンガ・アニメの研究の動向・情報を系統的に整理すること、さらに学術的深化を図ること、またその成果を世界に発信することである。これらを通して、世界での同研究の学術としての展開や定着を促すことがねらいである。また、ひるがえって、こうした活動を通して、日本と世界での日本研究の推進を図ることである。このプロジェクトは、2010年に日本学術振興会に申請手続きを行い、文部科学省によって採択されて(タイトルは「国際共同研究に基づく日本研究推進事業」「日本サブカルチャー研究の世界的展開―学術的深化と戦略的な成果発信」)、同年10月からスタートした。
 このプロジェクトをはじめた基本的趣旨は、日本マンガ・アニメ研究の「学術としての深化」にある。周知のように、マンガ・アニメに対しては、ほとんど無数の言説のスタイル・ジャンル・レベルがある。実作の現場・実践的な立場から、政策論的提言、高尚な哲学的論議まで、ほとんど何でもある。その中で、意外に「稀少」な立ち位置は、いわば「普通の」学問的アプローチとの接続をはかる方向ではないか、というのが出発点である。これまでのいわゆる日本学とのつながりももっと開けるかもしれない。その場合、いわゆる「象牙の塔」的なタイプとして閉じこもるのではなく、むしろ、異質な言説が相互乗り入れできる「プラットフォーム」として、学術的アプローチを使いたいのである。
 この場合の「学術としての深化」には、2つの柱がある。
 1.学際性、2.実証性、の2つである。
 1.学際性について:「学術としての深化」といっても、この場合の学術は、従来の「タコツボ」化したそれをそのまま使えないのは、見やすい。他に適当なコトバがないので、ここでは「学際的」な接近といっている。  芸術学、表象論、社会学、哲学、歴史学、人類学、メディア論、文学研究などの諸領域の学際的な協同を視野に入れなければ、役にたつような「深化」になりそうにない、ということである。
 2.実証性について:なにが、実証なのか、「実証的」な方法がこのジャンルに馴染むのか、といった根本的な問題はある。しかし、こプロジェクトでの実証性はもっとはるかに単純なレベル、実際に経験的調査をやってみる、アンケートをやる、インタヴューをやる、最もナマのデータを集めて、解析してみる、ということである。同様の実証的調査は、ヨーロッパにおいて、マンガ・ネットワークのプロジェクトとして行われた。こうしたことは、「日本」を含むアジア各地でこそ実施されるべきである、というのが我々の野心である。こうしたことは、少なくとも大規模に社会科学的な手法では行われてきていない。

 上記の目的を達成するため、より具体的には、次の3つの事業を行う。
1.海外研究組織との調査データの共有。
2.日本での大規模な(グローバル・レヴェルの)国際学会の開催。
3.特にアジアでの独自調査の実施。

 1.は、上記の「ヨーロッパマンガ・ネットワーク」が実施したアンケート調査のデータを共有するということである。すでにほぼ共有を果たした。これはまずアジアとの比較研究を行うために必須である。
 2.本当にグローバルな質と規模のマンガ・アニメの国際学会の開催。これまでのそれを糾合したような大会が、日本で開催されるべきである。学術としての深化の起爆剤としても必要である。これは来年度(2012年)のアジェンダである。
 3.アジアでの独自調査をぜひ進めていきたい。これについてもすでに予備調査を開始している。

業務内容

1.「マンガ・アニメ研究会」の立ち上げ
 神戸大学を拠点としつつ、本研究推進のための「マンガ・アニメ研究会」を立ち上げる。神戸大学および京都精華大学で例会をもちつつ、同「研究会」のホームページも立ち上げる。この研究会を母胎として、本業務の国際共同研究の主たる相手方である「ヨーロッパ・マンガネットワーク」(本部パリ・フランス国立政治学院)が、欧州において実施した調査データの集計作業に、本研究チームとして参画する。具体的には、生データを共有し、本業務推進主体組織である「マンガ・アニメ研究会」と、同上「ヨーロッパ・マンガネットワーク」との協同で適切な集計作業のデザインを考案しつつ、集計用のデータ構築作業にあたる。そのため、同「ネットワーク」との連絡調整の目的で、同本部のあるパリに本業務主任者が渡航する。

2.集計結果の分析枠組の考案
 上記集計結果の分析枠組を考案する。各国ごとに独自のものおよび協同の分析枠組、さらに研究者ごとの独自の分析枠組も構築する。これらの成果を、本研究参加者たちが、研究論文として、次年度に向けて公表していく準備に入る。

3.「世界マンガ・アニメネットワーク国際会議」の準備
 次年度に神戸大学にて開催する「世界マンガ・アニメネットワーク国際会議」の準備を、上記「研究会」において開始する。同研究会を母胎としてLOC(現地組織委員会)を立ち上げ、同国際会議用の実質的な事務局とし、神戸大学人文学研究科に置く。また、同「研究会」に専従の研究員を置く。同国際会議の開催場所(神戸大学)、会議主旨の広報、報告者の選定・連絡等を行う。 上記国際会議の準備として、海外でのマンガ・アニメ研究の実態について調査する。

4.プロジェクトの総合的推進
 プロジェクト全体の連携を密としつつ円滑に運営していくため、「マンガ・アニメ研究会」の開催等、参画各機関の連携・調整にあたる。特に、プロジェクト全体の進捗状況を確認しつつ計画の合理化を検討し、必要に応じて調査あるいは外部有識者を招聘して意見を聞くなど、プロジェクトの推進に資する。 プロジェクトで得られた成果については、積極的に公表し、今後の展開に資する。

日本サブカルチャー研究会沿革

2010/10/01:日本サブカルチャー研究会プロジェクト始動